御釜殿(吉備津神社) 吉備津 岡山市北区 岡山県
御竃殿鳴動神事の由来
 社伝によれば御祭神に退治せられた鬼「温羅(うら)」を祀る処と伝えられる。縁起によると、或夜吉備津彦命の御夢に温羅の霊が現れて「吾が妻、阿曽郷の祝の娘阿曽媛をしてミコトの釜殿の神饌を炊かしめよ。若し世の中に事あらぱ釜の前に参り給はば幸あれば裕かに鳴り禍あれば荒らかに鳴らふ。ミコトは世を捨てて後は霊神と現はれ給へ。吾が一の使者となりて四民に賞罰を加へむ」と告げた。これ神秘な釜鳴神事のおこりである。今日も「鳴釜の神事」が行われており鳴動の音の大小長短により吉凶禍福をトするのである。江戸時代の林道春の「本朝神社考」や上田秋成の「雨月物語”吉備津の釜”」などに紹介され神秘な神事として天下に有名である。