梨ケ原・宿遺跡 旧道(左折) 梨ケ原 上郡町 赤穂郡
梨ケ原・宿遺跡は、中世から近世にかけての集落の跡で多くの建物跡や井戸跡、遺物などがほ場整備事業に先立つ平成4年の発掘調査の際に出土しています。建物跡は、いずれも掘立柱建物(地面に掘った柱穴に柱を立てた建物)で、当時の一般的な民家と見られています。遺物として備前焼・青磁・白磁・伊万里・石鍋・宋銭など、広く国内に流通していた品々が、数多く出土しています。「東寺学衆評定引付」という古文書には、南北朝のごろに「梨原商人」がいたとありここ梨ケ原が当時から街道沿いの流通の基地だったとみられます。また現在のこる「宿」の字名等からも、この遺跡のまわり一帯が、中世山陽道(近世西国街道)沿いにおこった『宿』と呼ばれる町のひとつ「梨原宿」として、山陽道を行き交う人々でにぎわったものとおもわれます。  上郡町教育委員会