平安時代、和歌の題材になる名所を歌枕と称したが、みちのくにも数多くあって都の人々に親しまれていた。 白石市越河の県境は古く坂上田村麻呂が関所を置いて以来、下紐の関として歌枕に挙げられ有名になった。 この下紐の石は用明天皇の皇妃玉世姫がこの石の上でお産の紐を解かれたという伝説が、乳神様と共に伝わっている。藩政時代には路傍にあって「石大仏」と呼ばれていた。 立かへり 又やへだてん こよいさへ 心もとけぬ 下紐の関 左大将公名 現とも 夢とも見えぬ 程ばかり かよはばゆるせ 下紐の関 大中臣能宜朝臣 |