山王寺の臥竜の松 大和内 矢吹町 西白河郡 福島  
山王寺は、承応元年(1652)1月14日の建立といわれるが、縁起は不詳である。その境内南側に偉容を誇るクロマツは、樹勢は旺盛で、斜め上にのびている形もすばらしく、枝や幹が地面を這うような姿から「臥竜の松」と呼ばれたと伝えられる。根元から2mのところでの幹まわりは1.53mとたいして太くはないが、樹齢約200年の老松である。クロマツは、各地域の海岸に多く、海岸風景の主木となっている常緑針高木である。それに対し、福島県中通り地方はアカマツ林区といわれ、アカマツがほとんどである。それだけに、クロマツが植栽されたというのは極めて珍しく、大和内山王境内にあるのは、大変貴重なものである。  平成5年3月   矢吹町教育委員会   矢吹町文化財保護審議会