芭蕉句碑 湊町 岐阜市 岐阜県
岐阜の庄長柄川の鵜飼とて、世にことごとしう言ひののしる。まことや、その興の人の語り伝ふるにたがはず、淺智短才の筆にも言葉にも尽すべきにあらず。「こころ知れらん人に見せばや」など言ひて、闇路に帰る、この身の名残惜しさをいかにせむ。
            おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな  貞享5年6月
よく知られるこの句は、芭蕉が門人等とともに長良川の鵜飼を見物したときに、華やかな鵜飼いが終った後の闇と共に戻ってくる静けさを詠んだものといわれています。芭蕉らが鵜飼いを見物した場所は定かではありませんが、芭蕉が記した「十八楼の記」に『稲葉山(現在の金華山)の木陰に席を設けて』とあることから、現在の長良橋南詰めのやや上流あたりの岸から見物したとみられています。