御所神社と天子塚 正厳 尾花沢市 山形県
旧指定郷社 御所神社と天子塚
本社は尾花沢市大字正厳字宮内に在り。順徳帝を奉祀せり。神社縁記に拠れば帝承久の役後、鎌倉の執権北条義時の為佐渡に遷され憂き歳月を孤島に送らせ玉う事、十年の久しきに及ぶ、随従の臣阿部常次郎頼時と謀り密に佐渡を遁れ海に航して越後に渡り其れより庄内に出で玉ひ最上川を舟にて上がり次に丹生川に沿ふて登らせ玉ひ、暫し御所山に潜匿し玉ひしが後、山を出てさせられ皇居を正厳にトし僅がに雨露を凌がせ玉ふうち御悩にならせられ終に此地に崩じ玉ひぬ。時に寛元4年7月19日也と。後、常次郎聖廊を建てて之を奉祀せり。廊側の一戸は常次郎の裔にして旧家なり。代々神官として之に奉仕す。(中略) 社の東北相距る9町にして丘陵あり榊林と称す。(宮沢中学校東)頂上に天子塚と称する所あり。順徳帝の御陵なりと。檀三段にして下檀は方10間、中檀は方7間、上檀は方3間なり。其の中央に老杉樹あり。その下に御骸を収め古来猥りに人の檀上に登るを戒めたり。以下略