江戸時代、この辺りには本陣が置かれました。本陣とは、大名や幕府の役人などが宿泊する施設のことです。東北地方の大名の参勤交代のときや、将軍の日光東照宮参詣の際の供者の宿舎として、この本陣が使われました。ここ伝馬町の本陣は200坪近い大きな建物でしたが、今は、屋敷の庭にあったイチョウの大木が、わずかに当時の面影を偲ばせてくれます。 この付近は、元和5年(1619)、宇都宮城主本多正純による城の大改修のときに下町にあった問屋場が移転された所です。日光街道と奥州街道の分起点にあたり、荷を運ぶ人馬(伝馬)が備えられていたことから、この町の名が生まれました。町内には大名の泊まる本陣を初め、たくさんの旅籠屋が軒を並べ、城下では最もにぎやかな所でした。
本陣跡 伝馬町 宇都宮市