全国でも中世の関東地方に著しい信仰の特徴といわれる板状の秩父青石、すなわち緑泥片岩に刻まれた供養塔である。弥陀を表す記号(種子)を上部に刻み、頂部を山状に切りだした秩父型の板碑三基には、それぞれ「文永3年(1266)12月」「正和2年(1313)8月」「延丈6年(1361)」の造立年か陰刻されており、特に文永3年の刻銘は、港区に現存する板碑の中では最古である。これらの板碑は、以前は当神社付近にあったも のとも、荏原郡上大崎(現品川区上大崎)にあったものともいわれている。なお、境内には他に2基の板碑があるが、これらは摩耗がはげしく、造立年などを知ることはできない。 平成7年9月26日 東京都港区教育委員会
弥陀種子板碑(亀塚稲荷神社) 三田4丁目 港区 東京都