三仏堂は延長2年(924)の創建と伝えられ、釈迦、弥陀、弥勒の三尊を祀る。今の堂の建立年代は明らかでないが、様式手法からみると、室町時代末期に遡るかと思われる。現在は承平7年(937)平将門の創立と伝えられる竜禅寺(天台宗)の所有となっている。現状は桁行5間、梁間6間、寄棟造、茅葺、一間向拝付となっているが、これは近年改変されたもので、当初は桁行3間、梁間4間で、両側面と背面に裳階を付けた形式であった。(中略)この堂は部材の保存がきわめて良好で、軒先まで当初材が残っており、加えて旧痕跡が明瞭で当初の状態がよくわかる。関東地方における中世から近世にかけての建築の流れを知る上に貴重な遺構である。  取手市教育委員会
三仏堂 竜禅寺 取手市大字米野井