市指定有形民俗文化財
昔、秩父の小栗という人、江戸に急用があって、愛馬鬼鹿毛に乗り道を急ぎました。大和田宿に入ると、さすがの鬼鹿毛も疲れが見え、この場所にあった松の大木の根につまずき倒れました。しかし、さすがは名馬、ただちに起きあがり主人を目的地まで届けたといいます。所用を終えた主人が先ほど馬をとめたところまで戻ると、いるはずの鬼鹿毛の姿が見えません。不思議に思いましたが仕方なく家路を急ぎました。やがて、大和田の地にさしかかると、往路愛馬が倒れた場所に鬼鹿毛の亡きがらを見つけました。鬼鹿毛は主人の急を知り亡霊となって走り続けたのでした。村人は、のちに鬼鹿毛の霊を弔って馬頭観音を建てたといいます。これが「鬼鹿毛の伝説」です。鬼鹿毛の馬頭観音は、元禄9年(1696)に建立され、市内では最古・最大の石造の馬頭観音です。像高は、約127cmで、三面六臂(3つの顔と6つの肘)の丸彫立像です。  平成3年12月  新座市教育委員会
鬼鹿毛の馬頭観音 大和田1丁目16
右に芭蕉句碑 「花は賤乃眼にもみえけり鬼薊(あざみ)」