(前略)建立は文化15年4月(1818)で、近郷近在の馬持ちにより、現在の東松山市上岡の妙安寺にある馬頭観世音を模して造られた。馬頭観世音は本来畜生道の救済のための観音で、馬や牛の守り神として祀られた。また、馬が怪我をして倒れたところとか、病気で死んだ路傍に馬の霊を祀るために建てられたものもある。こうしたことから、交通安全を願う意味にも解せられたり、なかには道しるべの役目をしたものもある。牛・馬を使っての交通運輸が唯一のものであった当時には想像もつかない苦労があったものと思われる。これら動物は、それに対する愛情によって像として刻され、神仏を符号させ、そして守護されていったのである。  昭和54年6月15日   和光市教育委員会   和光市文化財保護委員会
  馬頭観世音 中央2丁目1 和光市 埼玉