桜の渡し跡・宮川 小俣町元町 伊勢市 三重県
宮川は神都伊勢へ入る者は必ず渡らなければならず、その渡河方法はすべて渡し舟であった。この渡しは、上の渡し(川端町)、下の渡し(小俣町)、磯の渡し(磯町)と三ヶ所あり、特に小俣と伊勢を結ぶ下の渡し(桜の渡し)が一番多く利用された。春には桜花が美しく咲く堤に沿って茶屋が並び、御師の出迎えの看板が林立した。また、めでたく参宮を終えて帰る伊勢講を送る道中歌もひびいた。「桜の渡し」は、参宮の歴史のすべてを運んできた。