斎宮跡 明和町斎宮 多気郡 三重県
昭和54年3月27日 国指定文部省  史跡 斎宮跡(斎王の森〉
斎宮跡は、斎王の御殿とその事務を取扱った役所の跡である。その創設は遠く飛鳥・奈良時代(7〜8世紀)といわれ、南北朝時代(14世紀)に至る間多少の中絶はあるが、約660年間存続した。 この史跡は、昭和44年祓川沿岸の古里地区における大規模宅地造成に伴う事前発掘調査を発端として、歴史や文学に名高い斎宮との関連がにわかに注目されるに至った。 このため、三重県教育委員会は、昭和48年度から3ケ年間、範囲確認調査を実施し、その結果ここ斎王の森を中心に東西釣2km、南北約700m、面積137haに及ぶこの地区一帯が斎宮跡であることを確認し、史跡に指定されたも.のである。 この斎宮が今を去る1300年前にどのような建築様式のもとに、どのような機能的役割を果たし、またどのような維持管理が行われていたかは、今後の発掘調査によって次第に明らかにされよう。この類例のない斎宮跡はわが国の古代・中世における政治・宗教・文化などの分野を解明する上で極めて重要な史跡である。斎宮は廃絶されたのちは、幻の宮として伝承に面影をとどめたにすぎなかったが、この森の一画だけが古くから「斎王の森」と呼ぱれ残されてきた。郷土の先人達も、 この森を中心に斎宮跡の保存顕彰に努めてきた由緒あ.る地である。この森は昭和33年まで日斎宮村の村有地であったが、以後伊勢神官に寄附され現在では神宮司庁により管理されている。 明和町教育委員会