旧雲出宿町並み 雲出島貫町  津市 三重県

道標神明道」
 江戸時代の滑稽本『東海道中膝栗毛jの中で、主人公のひとり弥次郎兵衛は、本の作者十返舎一九の名を騙ったために、相棒の喜多八と共に「雲津(雲出)の住人南瓜の胡麻汁」と名乗る男の家に招かれ、料理と間違えて焼石をかじりそうになる。 このエピソードの舞台がこの辺りである。 ただし、本の中では北からやってきた弥次郎兵衛と喜多八が、月本(三雲町)を通って雲津(津市の雲出地域)に着く。 実際とは順序が逆である。 また、この場面には雲出川も描かれず、南瓜の胡麻汁の家が伊勢街道沿いかどうかもはっきりしない。 「雲津」は島貫の宿をモデルにした可能性もあるが、実在の宿を描いたとは限らず、場所の特定は難しい。