環濠 一身田町 津市 三重県
一身田寺内町を特徴付けるものに環濠がある。各地の寺内町の環濠が埋められている現在、一部改修されているとはいえ、ほぼ完全に残っているところは一身田のほかにはあまり例がない。元禄13年(1700)の古図によると環濠の規模は次のようになっている。
一、東 長百九拾九間半(359m)、・・・・
一、西 長貳百三十貳間半(418m)、・・・・
一、北 長貳百四拾間(432m)、・・・・
一、南 長貳百六十五間半(478m)、・・・・
 ここに記された濠の長さは、現在の環濠の規模と完全に一致する。ただ、濠幅はその後の改修等でかなり狭くなっている。また、濠に沿って1間ないし3間の土居(堤)があったようであるが、寛政4年(1792)の惣絵図では、専修寺境内の西側と北側で濠に面する部分だけに描かれている。この部分の土居(堤)は現在もその形跡を留めているが、他は早くから屋敷の中に取り込まれていったものと考えられる。   津市教育委員会