専修寺御影堂 一身田町 津市 三重県
専修寺伽藍の中心にある建物で、真宗高田派の開祖親鸞聖人の坐像と歴代住持の画像(これらの像のことを御影と呼ぶ)を安置しているので御影堂といわれる。正保2年(1645)の大火ののち、津藩2代藩主藤堂高次から土地の寄進を得て、境内地がそれまでの3倍の約3万坪に拡がった。その境内地の中央に万治2年(1659)から建立が始められ、寛文6年(1666)に完成した。間口約42m、奥行約33mという巨大な建築で、国指定重要文化財建造物のなかでは5番目の大きさであり、木造建造物では県内最大である。屋根瓦は約19万枚使われ、中の畳も内陣の板の間をのぞいて725畳も敷かれている。外観は和様という日本的で重厚な建築様式になっているが、内部は金欄巻きの柱、極彩色の天井、欄間の牡丹の彫刻など豪快さが目立つ。 本体と向拝をつなぐ虹梁上.の構造が長野の善光寺本堂などと同じ構造なのも特徴の1つである。大工の主棟梁は江戸坂本三左衛門であったと伝えられているが、この人物は江戸幕府の御用大工だったらしく、藤堂藩を介して専修寺御影堂の建設に加わったと思われる。また脇棟梁のひとり森万右衛門は一身田の人で、その後幕府作事方の一員として活躍したことも知られている。  津市教育委員会