窪田常夜燈 大里窪田町 津市 三重県
この常夜灯は、高さ約8.6mもあり市内最大です。文化14年(1817)につくられたもので、伊勢別街道(江戸橋ー関)の宿場町であった窪田の東端の近江屋・大和屋といった旅籠(宿屋)の近くにつくられました。燈籠の竿には「江州」の文字がきざまれ、これは近江国(滋賀県)の商人が伊勢神営へ寄進したことを示しています。台座には琵琶湖の東の地域を表わしたと思われる波模様がきざまれ、その下には、ぎっしりと千余をこえる寄進者の名前がきざまれ、蒲生郡・愛知郡・野州郡などの商人であったことがわかります。では、何故ここに建立したのでしょうか。言い伝えによりますと、近江から大勢の人で伊勢神宮へ寄進する際ここまで常夜燈を運んできましたが、苛車が壊れたり疲労などで困りはて、窪田の人々とも相談したところ、宿屋の近江屋の協力によりこの地に建立したと言われています。その後、この常夜燈は地震によって三回も倒れましたが、地元・関係者の協力で再建されました。  平成2年9月11日