都追美井(つつみい) 古厩 関町 亀山市 三重県
延喜式内社に比定される大井神社の御神体の井戸である。大井神社は、明治42年に熊野皇大神社や笛吹大神社、宇佐八幡宮と合祀され、関神社となっている。ここ関町古厩(ふるまや)は、その地名から古代駅制の馬家(交通・通信に利用する早馬を乗り継ぐための施設)があったとされ、古代以降、参宮路として、また鈴鹿川渡河点として交通史上重要な地である。都追美井の名称は万葉集巻14の駅家に関する次の歌が由来とされる。
鈴が音の駅家(はゆまうまや)のつつみ 井の水を賜へな妹が直手(ただて)よ  詠み人知らず
(早馬のいる駅の井戸の清水を頂戴したいものだ。乙女の手からじかに。)
平成21年3月 亀山市教育委員会