地蔵菩薩坐像(宝樹寺) 牧町 津市 三重県
像には「正和三年(1314)八月二十九日」制作された銘文が刻まれています。像は4石で構成され、総高217cmの立派な作りです。基台は円形で複弁の反花を美しく刻んでいます。その上に扁平にした丸形で、蓮の花弁を並べた「しきなす」、さらに単弁の台座を置き、坐像を安置しています。像は、丸彫を思わせる量感で、浮き彫りにされ、非常に精巧に刻まれています。像の保存もきわめて良く、制作時の姿をほうふつとさせてくれます。この像は、近くの新家町光明寺、川方町栄松寺の地蔵像と正和三年八月に順番に制作されています。  津市教育委員会