国指定重要文化財
 明治9年9月、オランダ人技師ファン・ドールンは内務卿大久保利通の命により現地調査を行い、嗚瀬川河口の野蒜を東北開発の拠点となる築港の適地として報告しました。 藩政時代から内陸水運の盛んであった北上川から野蒜へは、水深の浅い石巻の河口港や天候に大きく左右される外洋を通らず安全に航行できる内陸水路として北上運河が開削され、北上川側の船舶通過用水位調整施設として建設されたのが石井閘門です。明治17年の台風により野蒜港は被災し閉鎖されましたが、北上運河はその後も使用され、現在でも航行することができます。 石井閘門は日本最古のレンガ造り西洋式閘門で、また可動ゲートを持つ閘門としても日本最古のものです。ゲートはもとは木製で昭和41年に鋼製に更新されたものですが、閘門本体は建造当時のまま残されており、貴重な近代土木遺産として平成14年5月23日、重要文化財に指定されました。
旧北上川右岸8.1km付近(北北上運河始点)  全体延長:50.35m     国土交通省東北地方整備局 北上川下流工事事務所  平成14年7月14日

 北北上運河 石井閘門 水押3丁目 石巻市