海道の松 市振 糸魚川市 新潟県
昔の北陸道は、この海道の松から海岸へ降りて西からの旅人はいよいよ寄せ来る波におびえながら天下の険、親不知小不知を東へ越えることになったのである。また西へ上がる旅人は10k余りの波間を、命がけでかいくぐり海道の松にたどりついて、ようやくホッとし、市振の宿へはいったのである。目通り2.5mで200年以上の風雪にたえたといわれ地元の人々からも大切に守り育てられて来たが、明治16(1883)には、がけの中腹に如砥如矢(とのごとくやのごとし)の国道がつき大正1(1912)年には汽車が通るに至り記念の老松が忘れられようとしている。昭和49年4月指定 糸魚川市教育委員会