箱館奉行所 五陵郭町 函館市 北海道
五稜郭内の箱館奉行所庁舎は、文久2年に建築工事が開始されました。マツ・スギ・ヒバなどの建築材木は能代(現在の秋田県)で加工され、船で箱館に運ばれて組み立てられました。 元治元年に奉行所庁舎が完成し、同年6月には箱館山麓から奉行所が移転して、蝦夷地こおける政治的中心となりました。 なお、五稜郭内の工事や付属建物がすべて完成したのは2年後の慶応2年です。 その後、明治維新により江戸幕府から明治新政府に引き継がれましたが、明治元年から2年にかけての箱館戦争時には旧幕府脱走軍の本拠地となりました。 箱館戦争終結後は、ふたたび明治政府のものとなりましたが、役所として利用されることはなく、明治4年に開拓使本庁舎の札幌移転に伴い、奉行所庁舎をはじめ郭内のほとんどの建物が解体されました。 庁舎解体から140年を経た平成22年、綿密な復元検討を重ねて、箱館奉行所は往時の姿に復元されました。