ワシリチャシ跡 汐吹 上ノ国町 檜山郡 北海道
昭和55年(1980)国道改修に伴なう北海道教育委員会の調査で発見された。北海道開発庁は一部計画を変更しこのチャシ跡の保存に配慮した。知里真志保によると「チャシとは砦、柵、柵囲い。古謡の中では英雄の常住する館をさす−略−」とされ、一般に16世紀〜18世紀に作られたと言われている。昭和58年(1983)北海道教育委員会の調査では全道に483ヶ所が確認されている。ワシリチャシ跡は面積約9000u、前方を海辺に突き出した台地の後方に幅2.5m、深さ3m程の空壕とこれを渡る土橋が作られている。両側は急斜面をなす。江戸時代の記録や地域の人達の間に”ワシリ“の地名が残り「アイヌの落し穴がある。」との言い伝えもあった。上ノ国町内には勝山館跡などの和人の館が存在する。桧山を含む道南にはチヤシの発見例が少なく両者の関係が注意されるところであり、このチヤシは大変貴重なものと推される。尚内部から擦文土器が採集されている。  平成2年7月 上ノ国町教育委員会