松前藩内三湊(松前、江差、箱館)では、沖の口奉行所に従属する三つの問屋制度があった。一つは問屋、二は小宿、三は附船である。 問屋は松前から出入する船の積荷の取り扱いをして二分の口銭を取り、その積荷の内容を奉行所に申告し、また、廻船の手配をするなど業務を担当した。 この問屋は、株式制で、年代によって異なるが、凡そ十軒から十五軒程の問屋があり、荷捌や廻船で莫大な財をなした。 小宿の業務は問屋と同じであるが、取り扱う仕事は問屋全体の三割であって、業者は五軒程度である。 附船は他国からの入港船の薪、水、食糧の供給、洗濯女の斡旋、宿屋等の業務を担当して利益を得た見返りとして難破船の救助等が義務付けられていた。 
廻船問屋 松前藩屋敷 西館 松前町 松前郡 北海道