八幡宮 本郷 八幡町 豊川市 愛知県
八幡宮は社伝によれば、白鳳(7世紀半ば〜後半)の頃に大分県の宇佐八幡宮から勧請されたといいます。奈良時代に東側に隣接して三河国分寺が建立されると、国分寺の鎮護の神としても崇められました。中世以降には武家の尊信を集めたことが牧野氏・今川氏の寄進状や安堵状(市指定文化財)からうかがえ、江戸時代には幕府より150石の社領が与えられていました。 本殿(国指定重要文化財)は、三間社流造の桧皮葺で、正面は三間とも菱格子組の引戸を立て、柱の上には出三斗を組んでいます。また、欄間には花鳥などを彫りこんだ形の良い替える蟇股が入り、これを七宝繋文の透し彫りがつないでいます。側面からは屋根の流れるような曲線を見ることができ、破風には連続波形彫刻、蟇股には蓮の花や日月が彫りこまれています。所蔵する木造狛犬(県指定文化財)の台座裏の墨書より文明9(1477)年の建造と推定され、当地方における室町時代中期の神社本殿の建築様式を知り得る貴重な好例です。 八幡宮には、他にも木彫天宇受売命面(県指定)や祭礼用具(市指定)などの文化財が伝えられています。   豊川市教育委員会