金襴の池跡 細江町中川 浜松市北区 静岡県
昔、この辺りには美しい金欄の蛇が住む大きな池がありました。今から四百年余の昔、この近くに刑部城という小城があり、城主が数十の城兵を擁して守っていました。 その頃、浜松城に移って来た徳川家康は、その勢力を伸ばそうと戦いを繰り広げ、ついに家康の配下が多くの兵を率いてこの城に攻め込んできました。その勢いはものすごく、ひとたまりもなく敗れてしまいました。 その時、刑部城主には一人の美しい姫かおりましたが、姫は敵兵にかかって恥をさらすのを嫌いこの池に入って金欄の蛇に姿をかえ、池に住んでいると言うお話です。またこの池には一つ目小僧がいて時々日向ぼつこをしに姿を現したとか。これが世に言う河童だつたのでしようか。あるいは、姫の家来が姿を変え、姫に仕えていたのでしようか。しかし、今はこの金襴の池も埋め立てられ現任は残っていません。