谷屋呉服店 小見川 香取市 千葉県
国登録有形文化財 染織処谷屋土蔵(夢紫美術館)香取市小見川581
谷屋は嘉永元年(1848)創業の呉服商で、利根川支流黒部川の舟運で栄えた小見川の代表的な商家である。谷屋土蔵は市街地の中心を貫流する黒部川の東、旧銚子街道に近接して、敷地西方に建つ、建築年代は明治初期ごろと考えられる。 桁行5.075m、梁間3.6m、土蔵造、二階建、南北棟の切妻造、桟瓦葺である。一階東面中央に扉□を設け、両開きの重厚な塗戸を吊るす。二階南面に窓を開く。内部は高く上げた一階床下を物置とし、一・二階とも一室とする。小屋組は牛梁に登梁を架け、棟木・母屋を受ける。外壁は白漆喰仕上げである。腰を高く造り、一階床を高く上げているのは水害に備えたもので、当地ならではの工夫である。現在、土蔵は貝紫染織による「江戸友禅」の着物、帯、染絵額や正倉院復元織物などを収蔵・展示する「夢紫美術館」として公開されている。平成24年3月 香取市教育委員会