こんなとこ、船でいってええんかいな。気が引けるな」 そう思うくらい、湖面一面が隙間のないピンク色なんです。桜の花びらが織った絨毯を、ゆっくりゆっくりかき分けながら微速前進する。船が桜の絨毯を分けると、そこから青い湖水が顔を覗かせる。上のほうからは、桜の花びらがチラホラ風に乗って舞ってくる。天気も上々とくれば、もういうことはありません。 |
かっての朽木氏の檀那寺で、むかしは近江における曹洞宗の巨刹としてさかえたらしいが、いまは本堂と庫裏それに鐘楼といったものがおもな建造物であるにすぎない。 |