資料4 室の八嶋に詣す。同行曽良が曰、「此神は木の花さくや姫の神と申て富士一躰也。無戸室に入て焼給ふちかひのみ中に、火々出見のみこと生れ給ひしより室の八嶋と申。又煙を読習し侍もこの謂也」。将、このしろといふ魚を禁ず。縁記の旨世に伝ふ事も侍し。 小田(小山)ヨリ飯塚ヘ一リ半。木沢(喜沢)ト云所ヨリ左ヘ切ル。 此間姿川越ル。飯塚ヨリ壬生ヘ一リ半。飯塚ノ宿ハヅレヨリ左ヘキレ、小クラ川(現思川)川原ヲ通リ、川ヲ越、ソウシヤガシト云船ツキノ上ヘカヽリ、室ノ八嶋ヘ行(乾ノ方五町バカリ)。 (曽良随行日記) |
煙たつ室の八島にあらぬ身はこがれしことぞくやしかりける | 大江匡房 |
いかでかは思ひありとも知らすべき室の八島の煙ならでは | 藤原実方 |
暮るる夜は衛士のたく火をそれと見よ室の八島も都ならねば | 藤原定家 |
ながむればさびしくもあるか煙たつ室の八島の雪の下もえ | 源時実朝 |
東路の室の八島の秋のいろそれともわからぬ夕けふりかな | 連歌師宗長 |