この歌は、良寛と貞心尼が与板の造り酒屋山田屋で詠交わした歌であります。黒い僧衣を身にまとった良寛が時々姿を規すのを見て、与板の人たちは良寛を「からす」と呼んだ。 良宣は笑いながら いづこへも立ちてを行かむ 明日よりは からすてふ名の人のつくれば 貞心尼はこれを受けて 山からす里にいゆかばこがらすも いざないて行け羽根弱くとも 良寛さすが世間体を気にして いざないて行かば行かめど人の見て あやしめ見らばいかにしてまし しかし貞心尼は とびはとび雀は雀さぎはさぎ からすとからすなにか怪しき とやり返した。碑文は後段の二首を採ったものです。 |